青龍の鎮魂歌
第一章
面影
夕焼け空。
河川は真っ赤に照らされている。
そんな中、私は土手の上を無気力に歩く。
失ったものが大きすぎて、私の中は空っぽになっていたんだ。
それはついさっきの出来事のようだけど、もうあれから今日で1年が経つ。
隼人が、向こうの世界に逝ってしまってから。
でも、たまに想像するんだ。
隼人は明るい人だから、向こうの人たちとも仲良くしてるんだろうな。とか。
あの時みたいに、私のためにご飯代節約して、また倒れたりしてるんじゃないかな。とか。
もう、隼人はいないのに…
いつまで私は思い出に取り残されるんだろう。