あなたを抱けなかった理由
外へ出ると、雨が降ったせいか空気がきれいに浄化されているように感じる。


まだ少し降る雨がしっとりと体を濡らしていくのは、気にならなかった。




顔に落ちる雨粒に、シバシバと瞬きをしながら空を見上げると、さっきまで降っていた雨が嘘のようにきれいな月が夜空を照らしていた。




目を閉じて、スーっと体いっぱいに空気を吸い込んでみる。




私は、生きている……そう思った。
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