あなたを抱けなかった理由
「お疲れ様、ゆっくり休むといいよ」


間もなく部屋に入ってきた社長は、とてもやさしい声で私にそう言った。



その声があまりにやさしく私の心に響いて、私の目から大粒の涙が溢れ出した。



そんな私を、少し苦しそうに見ながら「一度抱いてやらないか?」と呟いた

私はフルフルと顔を振り、「その先まで欲がでますから」と断った。
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