雨夜の密会
鳴海さんが玄関まで一緒に来てくれた。
「あのさ、真緒ちゃん。雨の日にまた会おうね。一緒にご飯食べよ?」
「うん……」
「雨の日だけじゃなくて、猫たちに会いに来たかったら来ればいいし、写真館にも遊びにおいで?」
「うん……ありがとう……」
私は鳴海さんに精一杯の笑顔を見せた。
鳴海さんが抱っこしている白猫の冬の頭を撫でる。
目を細め、喉を鳴らす冬。
私と鳴海さんの逢瀬は数時間で終わった。
玄関を出ると、雨は上がり空には晴れ間が広がっていた。