雨夜の密会



そこで私はある疑問が頭を過ぎった。


鳴海さんにはご飯を作ってくれる人はいないんだろうか……。


彼女とか。


鳴海さんの彼女の話は、私が写真館で働いていた時から聞いたことない。



「真緒ちゃん?どうかした?」


「えっ?」



鳴海さんは私の顔を覗き込むようにしてそう言ってきた。



「なんかボーとしてたから」


「あ、ううん。何でもない」



私はそう言って笑うと、ミートソーススパゲッティを食べ始めた。




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