雨夜の密会




「真緒ちゃん?」


「ん?」


「今日、遅くなっても大丈夫?」



鳴海さんの言葉に胸がドキンと跳ね上がる。


和臣さんが何時に帰って来るのかわからない。


でも、いつもの時間に帰って来るなら……。



「夕方くらいまでなら……」



和臣さんが夕方に帰って来るなんてこと滅多にないし。



「ホント?」


「うん」


「あのさ、俺、これから出掛けなきゃいけない用事があるんだ。留守番、頼んでいい?」


「いいけど……」



ちょっと期待しちゃった。


ただの留守番だったんだね。



「助かる!鍵、置いて行くから、もし遅くなるようなら連絡するから鍵かけて帰ってくれたらいいからね。鍵はポストへ入れといて」


「わかった」



どこに行くんだろう……。


やっぱり彼女がいて、その彼女のとこに行くのかな?


少し寂しさを感じてしまった。




< 116 / 139 >

この作品をシェア

pagetop