雨夜の密会
「ただいま」
ヤバイ!
鳴海さんが帰って来た。
どうしよう……。
「真緒ちゃん、いてくれた、んだ、ね……」
鳴海さんは私の持っていた写真を見て目を見開く。
「どうして、それ……」
「あ、あのね、冬が棚の上に乗ろうと思って……」
私がどうして写真を持ってるのか説明しようとしたら、鳴海さんは無言で私の手から写真を取り上げた。
「あ、あの、鳴海、さん?」
写真を見つめる鳴海さんは、凄く切ない顔をしていて、今にも泣きそうだった。
「…………ゴメン。真緒ちゃんが悪いわけじゃないのにね」
そう言った鳴海さんは、ぎこちない笑顔を作った。
「鳴海さん、彼女いたんだね……私、知らなくて……ゴメンなさい……。もう来ない方がいいよね?」
私はその場に立ち上がった。
ヤバイ、泣きそう……。