雨夜の密会
「真緒ちゃん?」
「ん?」
「俺、そろそろ写真館に戻るけど、真緒ちゃんどうする?」
鳴海さんは空を見上げていた顔を戻し、ベンチから立ち上がった。
「私はもう少しだけ、ここに居ようかな?」
「そっか」
「うん」
「あのさ、また写真館に遊びにおいでよ」
「うん……」
私はそう返事をして作り笑いをした。
「涼さんも真緒ちゃんが来てくれたら嬉しいと思うし」
涼さんとは叔父さんのこと。
名前は藍田涼一(アイダ リョウイチ)で、鳴海さんは叔父さんのことを涼さんと呼んでいる。
「そうだね」
「じゃあね、また」
「うん」
鳴海さんは私に笑顔を見せると、公園から出て行った。
鳴海さんとの再会。
それが私の運命を大きく変えるとは、この時の私はまだ何も知らなかった。