雨夜の密会
公園に戻りベンチに座る。
「さっきの写真、見る?」
「見たい!」
鳴海さんは一眼レフカメラの液晶部分を私の前に出して、さっき撮った雲の写真や猫の写真を見せてくれた。
「可愛い!」
「昨日、あの猫の親子を見つけたんだ」
「へぇ!」
「これは昨日、撮ったやつ」
母猫が仔猫の体を舐めてる写真。
まるで写真の中でも生きてるような猫の親子。
写真を見せてくれたあと、鳴海さんは背伸びをして空を見上げていた。
その横顔をチラッと見る。
綺麗な顎のライン。
頬にかかる茶色の髪。
長い首筋。
胸がドキドキと高鳴っていく。