雨夜の密会
レトロな木の扉を開くと鐘の音が響いた。
「いらっしゃい!って、真緒!どうした」
「こんにちは」
写真館に来るのは結婚して以来。
半年ぶり。
叔父さんは幽霊でも見たかのようなビックリした顔をしている。
「近くまで来たから久しぶりに寄ってみたの」
「そうか!さっ、入りなよ!」
叔父さんは笑顔で私を迎え入れてくれた。
「鳴海さんは?」
「写真、撮りに行ってる」
「そうなんだ」
「鳴海くんは暇さえあれば、フラーと写真撮りに行ってるよ」
そう言って笑う叔父さん。
「ケーキ買って来たの。鳴海さんと食べて?」
「ありがとう」
叔父さんはケーキの箱が入った紙袋を受け取った。