雨夜の密会

笑顔で写る私。


こんな笑顔、結婚してからした事あったかな……。


和臣さんといると、いつも緊張感で身体も顔も強張ってた。



「そろそろ帰ろっか？」


「うん」



私と鳴海さんは階段を上がり駐車場に行った。


車に乗り、エンジンをかける。



「あ、ねぇ、真緒ちゃん？」


「ん？」


「真緒ちゃんが撮った写真、俺にもちょうだい？」


「えっ？いいけど……」



鳴海さんはパーカーのポケットからスマホを出した。



「番号、教えて？」


「えっ？」


「あ、ゴメン……。旦那さんいる人に番号聞いたらマズかったよね」



鳴海さんはそう言って少し寂しそうに笑った。



「そんな事ないよ。番号、交換しよ？」


「いいの？」


「うん。番号、言うね」



私は鳴海さんに自分の携帯番号を教えた。


それを入力する鳴海さん。


しばらくして私のスマホの着信音が鳴った。



「それ、俺の番号。登録しといて？」


「うん」



私はスマホの電話帳に番号を登録した。