雨夜の密会




「雨の日って、寂しく感じちゃって……」



おかしいよね。


こんなこと思うなんて……。


でも、心にポッカリ穴が開いたように寂しくなっちゃうんだ。



「真緒ちゃん?」


「ん?」


「雨の日は、俺が一緒にいてあげるよ……」


「えっ?」



私は隣にいる鳴海さんを見上げた。


優しい顔で見下ろす鳴海さん。



「鳴海さん……」



でも私は結婚していて、和臣さんがいて……。


だから……。



「雨の日は、キミが寂しさを感じなくなるまで一緒にいてあげるよ……」



鳴海さんはそう言って微笑んだ。




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