雨夜の密会




「これ、あげる」



俺は葵ちゃんに名刺を差し出した。


それを受け取る葵ちゃん。



「裏に俺の携帯番号を書いたから。葵ちゃんの都合のいい時に連絡して?」


「うん」



俺はリュックを背負った。



「じゃあね」



俺は葵ちゃんにそう言って手を上げた。


そして背を向けて歩き出す。



「蓮!」



後ろから葵ちゃんが俺の名前を呼んだ。


名前を呼び捨てで呼ばれて驚いたと同時に胸が高鳴った。


立ち止まり振り向く。


笑顔の葵ちゃん。



「蓮!バイバイ!」



俺に手を振る葵ちゃん。


俺も手を振り返す。


そして再び葵ちゃんに背を向けて歩き出した。




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