雨夜の密会
「わぁ!ここが蓮のお家なんだね!」
電話を切って30分程して葵ちゃんは俺の部屋にやって来た。
リビングに入り、そう言って笑顔で俺を見る。
「う、うん……。座ったら?お茶淹れるから」
俺はキッチンに行き、葵ちゃんはソファに座った。
「来る時に迷っちゃって。道を聞きながらやっと辿り着いたんだ」
「そうなんだね」
ヤカンに水を入れて火にかける。
夏の暑さからくる汗ではない変な汗が背中をツーと伝っていく。
マグカップに紅茶のティーパックを入れて、お湯が沸くのを待つ。
何を話していいのかわからず、黙ったままヤカンを見ていた。
「蓮って、彼女いるの?」
「はっ?えっ?な、何?いきなり……」
俺は振り向いて葵ちゃんを見ると、葵ちゃんはケラケラ笑っていた。