雨夜の密会




「ベッド行く?」



葵ちゃんは何も言わずにコクンと頷いた。


俺は葵ちゃんをお姫様抱っこして寝室へ連れて行く。


狭いシングルベッド。


そこに葵ちゃんを優しく下ろした。


潤んだ瞳で俺を見る葵ちゃん。


俺は葵ちゃんの上に馬乗りになった。



「怖い?」


「ううん。蓮なら怖くないよ?」



葵ちゃんはそう言って俺の首に腕を回してきた。


再びキスをする。


舌を絡めた大人のキス。


静かな寝室にお互いの息遣いと水音が響く。


唇を離し、俺は葵ちゃんの首筋に舌を這わした。



「んんっ……」



手で口を押さえる葵ちゃん。


俺は葵ちゃんの手を避けた。



「我慢しないで?」



首を左右に振る葵ちゃん。



「もっと可愛い声を聞かせてよ?」



ーーねぇ、葵?





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