雨夜の密会



鳴海さんから言われた言葉が頭から離れない。



「雨の日はキミが寂しさを感じなくなるまで一緒にいてあげるよ……」



その言葉が頭の中をグルグル回って離れない。


思い出す度に胸が“キュー”と苦しくなる。


同情なんだろう。


多分、同情。


わかってる。


そんなこと。


既婚者と会い、もし和臣さんにそれが知れたら……。


鳴海さんだって、どうなるかくらい知ってるはず。


でも……。


雨が降らないかと心のどこかで願っている私がいた。




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