私の彼氏は冷たい彼氏



「…え」


今度は私がきょとんとする番だった。
訳が分からず、首を傾げて遥を見る。


「…迎えに行けばよかった」

「へ」

「ごめん」


手をギュッと握りながら遥は言った。
謝られてる意味が分からず、更にきょとんとしてしまった。


「何で謝るの…?」

「俺のせいで怖い思いしたろ」

「ちちちち違うよっ…!遥じゃなくて、私の不注意だしっ」


もう訳が分からなかった。
遥はどこまでも優しい。優しすぎる。

私は決めた。

遥から離れる。今日で終わりにする。
ずるくて、何考えてるか分からないけど、優しくて、かっこよくて。

私には勿体なかったんだ。


「ごめんね、遥…」


苦しめて、ごめん。



< 16 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop