私の彼氏は冷たい彼氏



その後は一言の会話もなく、目的の駅に着いた。まともな会話すら、久しぶりだった。


また会話もなく、近くのファミレスに入った。向き合うように座る。
それだけで。向き合うだけで。ドキドキする。


遥はハンバーグセットに、チャーハンという、なんとも多い量を頼んでいた。後で残さないか不安だったけど、話しかけるほどの勇気はなかった。

私はミニチャーハンだけ頼んだ。


「……少なくない?」

「え、いや…」

「もっと食えよ。細すぎ」

「そ、そんなことないよ」


じーっ、と見つめられて下を向きながら答えた。声が震える。見ないでよ…。

せっかく決心したのに、揺らいじゃう…。


「やる」


そう言って、ハンバーグを小さく切ったものを、私のお皿の上に乗せた。


「え、い、いーよ」

「食え」

「……」


何故か強い口調で言われ、何も言えず無言で食べた。

遥はあの量をぺろり、とたいらげ、満足そうな表情を浮かべていた。



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