あいしてる
「なに?怒ってんの?」
ストローでアイスティーをくるくると勢いよくかき混ぜると、小さな氷が一斉に渦にのまれていった。
「なわけねぇだろ?呆れてんだよ」
椅子の背もたれに身体を預けた親友は、煙草のけむりを上に向かって吐き出した。
ゆっくりと天井にそって広がっていくけむりを眺めるのは、結構好きだったりする。
「だよね」
負けじとアイスティーをズズズッと音を立てて飲んだあたし。
「あーあ、どっかにころがってないかな。あんたみたいな男」
頬杖をついて呟いてみれば、
「オレみたいにいい男はなかなかいないよ」
なんて答えが返ってきた。
そんな会話をしていたのが、ちょうど一週間前の日曜日。
突然降り出した雨をやり過ごすために飛び込んだカフェでのこと。