Realtime:kiss
一週間の我慢…


自分にそう言い聞かせて、仕事に没頭した。


しかし、決算終了は、課長の希望時期を大幅に遅れ、結局二週間かかってしまった。




どうにか無事決算を終え、私達経理も新社屋に合流の運びとなった。




3月中盤の日曜日、業者による引っ越しも難なく終え、翌月曜日、私は新社屋に出勤した。


駅で奈津紀と待ち合わせ、期待半分、不安半分で会社に向かう。


「そう言えば、来週からかなぁ?新人研修」


「もうそんな時期なんだ、年とるはずだね」


なんて会話を交わしながら……



講堂での社長の決意表明を聞いた後、私達経理は秘書課の案内で社内を練り歩いた。


この人工島は企業オンリーで、外食するお店が無い。


社内には社員食堂があり、私は初めて目にするそれにワクワクしていた。


一通りの案内を終え、私達の城である、新しい事務所に入ると、専務が迎えてくれた。


労いの言葉をかけられ、一同は恐縮した。


当然午前中は仕事にならず、あっという間にお昼休みとなった。




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