Realtime:kiss
同僚と社食に向かう途中、会いたくて会いたくてたまらなかった人が歩いてくる。


蒼佑…


私に気付いたのか、右手を上げ、優しい笑顔を私にくれた。


「よぉ、やっと来たな、今から飯か?」


「うん、蒼佑君、久しぶりだね」


「咲宮さん、私達先に行ってるから、あっ、私達の事は気にしないで良いからねっ」

ニヤニヤしながらそれだけ言うと先に行ってしまった…


「ちょっ…」


「一緒に食う?」


同僚に気を使わせちゃったけど、蒼佑に誘われた事が嬉しい。


「いいの?」

「当たり前だろ?…行くぞ」


私達は肩を並べて社食に向かった。


この時私は舞い上がってたんだと思う。



周りの視線に気づかない程に……


社食に着くと、山中さんと里中君、奈津紀に陽子が同じテーブルで既に食事をとっていた。


「奈緒お!こっちこっち」


馬鹿でかい声で奈津紀が立ち上がりながらこちらに手を振り叫んでいた。


「…ったく、あの女、空気読めよなぁ……」


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