Realtime:kiss
「おい、何立ち話してんだよ!とにかく、す・わ・れ!」

通路を塞ぐように立って話している私達に横槍を入れる人物・・・

「悪い悪い、じゃ、自己紹介は席についてからで・・・どうぞ、かけて?」

失礼しますと、声をかけ、言われた通り席につく。

顔も上げず、奈津紀に肘鉄喰らわせ、小声で言う。


「どういう事よ!これじゃあ合コンと一緒じゃない」と・・・

「だって、強制連行しなきゃ、アンタ、絶対来ないもん!」


「なぁにコソコソヒソヒソやってんだよ、なぁお、ちゃん」


!!!!!!!!



なっ!


ガバッと顔を上げて前を見た。!!!!!


私の目の前には、この前のお尻触り野郎がニヤリといやらしい笑みを湛えてこちらを見ていた・・・


「あぁっ、なっ、どっ!」

私はワナワナ震える指先を変態野郎に向け、口をパクパクした。

「なぁに言ってっか、わかんねぇなぁ」

ニヤッと、右の口角を上げながらそう言った。

「奈緒?知り合いなの?」

私はブンブン首がちぎれるかってくらい左右に振る。


「・・・へぇ、そんな事言うんだ、なぁお、ちゃん」

っ!!!!!!

「あっ、アンタねぇ!」

私は立ち上がり今にも掴みかかる勢い。

しかし、同じテーブルにつく後の四人の視線を感じ、すごすご椅子に逆戻りした。


座り直して顔を上げ、目の前の男を睨み付ける。


「蒼佑?何、奈緒ちゃんと知り合いか?」


山中さんが私の目の前にいる、このセクハラ野郎に声をかけた。


「知り合いって程のもんじゃねぇけど、ま、ちょっとな?」


何か含みのある言い方なんかして、勘違いされるじゃない。


「や、山中さん?あの、知り合いって、そんなんじゃ無いですから」


私は山中さんに訴えた。


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