Realtime:kiss
えっ!!!!

それって……


山中さんは続ける。

「俺の隣にいた蒼佑が車道に倒れている…
俺は何が何だか訳が分からず、慌てて蒼佑に駆け寄った、その時……「圭吾」
山中さんの言葉を遮る蒼佑を私はじっと見た。


「まぁ、これ位のけがで済んで良かったよ、運が悪けりゃ、あの世行きだ、はっはっはっ」

「お前…そこで笑うか?普通…
奈緒ちゃんがこんなに心配してるのに……」


忘れてたわ、この男、こういう奴だった……


山中さんの呆れた一言も、ほっとけ、と軽くあしらう始末…結局、左手首の挫傷と顔面の裂傷で、入院の必要はないけれど、2~3日は会社を休み、自宅で静養、との事だった。


「俺、仕事の事とか車の事とか圭吾と話しあっから、奈緒は帰れ」


コーヒーを持つ手が止まる。



今なんて言った?帰れ?

帰っていいよ、じゃなくて、帰れ?


はぁああぁあ!?


私は蒼佑の痛々しい顔をきっと睨み付けた。



「あのねえぇ…」
けど、止めた。文句言うだけ疲れるって事、忘れてた。


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