Realtime:kiss
怪我の事、心配だけど、これだけ憎まれ口叩けるんだ、それに、山中さんもいる。私は素直に帰る事にした。


「はいはい、そうさせていただきます。
山中さん?コーヒー、ごちそうさまでした。
じゃ、この俺様男子、宜しくお願いしますね」



「おれさまだんしぃい?
こりゃまたナイスなネーミングだね、奈緒ちゃん、じゃ、またね」

「だぁれがおれさまだんしなんだ!!」


憤慨する蒼佑を後目に私は山中さんに一礼して席を離れた。


「なおっ!」

呼び止められ、振り向く私に蒼佑は、「家に着いたら携帯鳴らせよ?」

だって……


何だかんだいって、私の事、気にしてくれてるんだ。


何か嬉しいかも……

私は満面の笑みを蒼佑に向けた。



病院を出て、携帯の電源を入れ、奈津紀にラインを送った。


暫くして、私の携帯が振るえた。

「奈津紀?うん、大丈夫、大事に至らなくてホント良かったよ。
でね?経理になんて言い訳してくれてるの?
そっかぁ、…え?あたし?
あたしはもうっていうか、端っから用無しだってさ。だから会社に戻ろうかなぁって……」


しばらく奈津紀と話し、やはり会社に戻る事にした。


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