Realtime:kiss
私は、数時間前に課長から言われた事が頭から離れないでいた。


『んじゃあさぁ、仕事片した後でいいからさぁ、うち、来ない?』


どうせ、明日から三連休だ。

蒼佑に連絡入れると約束はしたけど、そんな気分にもなれないし、私は陽子の提案に頷き、内線を切り、早く仕事を終える為に伝票入力を始めた。



会社を出る前に陽子に連絡を入れ、そして、電源を落とした…



「いらっしゃい、奈津紀ちゃんももういらしてるわよ、さぁ上がって!」


陽子は実家で生活している。


「今晩は、お邪魔します」

「夕飯召し上がってってね!」


階段を上がる私に笑顔で声をかくてくれるおば様…


「遅いよぉ、奈緒ぉ!」


「遅いよじゃないよ、奈津紀?
あんた今日は山中さんとラブラブなんじゃなかったの?」

私はコートを脱ぎながら奈津紀に言った。


「うん…そうだったんだけどね?」




一旦言葉を切って、陽子と何やらアイコンタクトしている。何か気分が悪い…





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