Realtime:kiss
「どうなんだ?その……
碕岡君に、ちょっかい…出してるのか?」


聞きづらそうに、でも、ハッキリした言葉で私の心を貫く……


キッと課長を睨み付け、私はハッキリ言い切った。


「確かに今日、碕岡さんが事故に遭ったと連絡を受け、病院まで行きました。
友人が事故に遭ったと知れば心配になるのはおかしな事ですか?

彼に婚約者がいるのも知ってます。
でも、私達は友人関係にあります、婚約者がいれば、友人関係を反故にしなければならないのでしょうか…」


「えっ?事故に遭ったのは碕岡君だったのか…

と、いう事は、事実とは違うんだな?
はぁ…そうか、悪かったな。
そうだよな?咲宮君に限って……
で?碕岡君は大した怪我じゃないんだな?

…行って良いぞ」


ポンと肩を叩かれ、私は課長に一礼をして、会議室を後にした。





定時後、昼間抜け出したツケが、目の前にある…ズンと沈み込んだ心が凄く重かった。


あれから仕事が手に着かず、この有り様…

こりゃ、残業だな…

仕方なしに伝票に手をつけた、その時、内線がなる。

「はい、経理課、咲宮です」

『奈緒?帰れる?』陽子からだった。

「う~ん、一時間位居残りだわ」



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