Realtime:kiss
「・・・ほら、碕岡さんにも」

「・・・・・」

「クックックッ、圭吾ぉ、俺、気に入っちゃったぁ、なぁおちゃんの事!」

っ!!!!!!

「うん、きっと奈緒ちゃん、蒼佑のタイプだと思ったんだ、な?奈津紀、奈津紀もお似合いだと思わない?この二人」

「言われてみれば、そうねぇ、うん、あたしもそう思う」

「ちょっ、あんた達、勝手に何決めてんのよ。怒るわよ!」


私はすっかり酔いも冷め、二人に憤慨した。

おい、俺のどこが不満なんだよ」

ビクッ

「じ、時間も時間だし、そろそろお開きに、しない?」

陽子が救いの手を差しのべてくれて、私はうんうんと頷いた。


「里中君、悪いんだけど、陽子、送ってってもらえる?」

はぁ?時間は遅いけど、終電までまだ何本か走っているはず。


「え?陽子、あたしと帰ろうよぉ」

たまらず、声をかける。


すかさず横槍が入る。


「お前は俺が送ってってやるよ」


碕岡蒼佑が言い放つ。

< 9 / 266 >

この作品をシェア

pagetop