涙恋~片思い恋愛〜
「あぁ。」

「わかった。」



ふぅ。
これで、みんな幸せになれる。


あたしだけが、1人で傷ついて、
1人で泣けばいい。

だけど、この場では泣いちゃだめだ。



息を吸いこんで、心を閉じ込める。



「あたし、白鳥くんのこと、
どう頑張っても好きになれないや。

だからね、別れてください。
本当にごめんなさい。



拓真は、幼なじみとしては好きだったけど、
ーー...恋愛感情は持てないや。
ごめん。」



あたしは、それだけ言い残すと、
2人を残して走り出した。

走り出すとすぐ、涙があふれてきた。


おかしいな、家に帰るまでは泣かないって決めたのに。


目をゴシゴシ拭いて、走るスピードを少しだけ挙げた。
< 213 / 291 >

この作品をシェア

pagetop