涙恋~片思い恋愛〜
「あの…」

屋上に来て、拓真くんの話を聞いている。


拓真くんは度胸があると思ったが意外となくて...

何か、もぞもぞ小さな声でしゃべってるようだった。


「拓真くん、聞こえないからもう少し大きな声でしゃべってくれるかな?」


精いっぱいの優しさだった。

普段だったら、こんな言い方しない。

だけど、拓真くんは特別だから。

女らしくできた。


拓真くんの心をとらえるのなら、どんなことでもできる。

そう、なんでも。


「俺と、放課後デートして。」


聞こえるか、聞こえないか、わからない声だったと思う。

だけど、私には鮮明に聞こえたんだー...


『放課後デートして。』って。
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