ALiCe


そこまで考えたところで、チェスターはこちらをちらっと見た。

というか…一瞬だったが、睨んできた?



まさかこいつも俺と同じようなことを考えたのだろうか。

なんつーか。


気にくわねえ奴。


「ハル」

と、そこでレイナルドに名前を呼ばれてはっとする。


「…え、あ、なんだよ」

「心配なら、探しに行ってみたらどうです」


レイナルドは俺が華奈のことを心配していると本気で思っているのだろうか。

いや……
それはなさそうだな。恐らくこいつも気づいてる。

俺が探しに行っても多分見つかるわけはないし、俺が外に行く意味なんかない、けど。



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