ため息と明日




「...気まぐれだよ、ただの」




他に思いつく言葉が見当たらなかった。




忘れかけていた何かに、気付かぬフリをしていただけかもしれない。




それでも、もう...すべてが終わったことなのだ。








「もう関係ないからアイツとは。適当にやってるって言っといてよ」




心配なんて、柄にもないことすんなって。




都合のいい時だけ、思ってもみないこと言うとか、ホント最低。






戸惑いの後は、冷静になろうと、平静を装って笑って見せた。




けれど、そんな対応も虚しく、マスターの攻撃は続く。





「元通りに、なんて思っているわけじゃない」




あまりに真剣なその声と、突然口調が変わったことに意表を突かれ、



思わず「え?」っと聞き返すと







「そう言って、後悔してるって顔してた」





誰が、なんて野暮なことは聞かない。というか、聞けない。




ここで関係が成り立つのは、私とマスターと『アイツ』だけだから。





だからこそ、ホントに意味分かんない。




今更、なんなのよ。




訳分かんないこと言って、何がしたいの?







ねぇ、智樹




らしくないことしないでよ。









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