夢なごり~君の声に呼ばれて~
「両者、構え!――始め!」
沖田さんの声と同時に青年が打ち込んで来た。
私はそれをかろうじて受け止めると、押し返した。
押し返しても、すぐに追撃が来る。
やっぱり、現代の剣道と幕末の剣術はまったく違う。
さすが、命懸けの生活を送ってるだけあるな。
だったら、こういうのもありかな…?
私は一度、青年から距離を取ると、木刀を下ろした。
「何で、急に木刀を下ろしてるの?まあ、良いや。もらったぁ!」
その隙をついて、彼は私に向かって木刀を振り下ろして来た。
――今だ。
私は足を振り上げると、勢いに任せて木刀を蹴り飛ばした。