夢なごり~君の声に呼ばれて~
土方Side



俺は目の前の光景に言葉を失っていた。



目の前には木刀を半分に折られ、呆然とする平助。



それと、木刀を半分に折って、悠然としている桜井。



さっき、勢いよく足を振り上げた桜井は振り下ろされた木刀を折った。



普通、木刀は鍔ぜり合いになってもそう簡単には折れない。



なのに、桜井はいとも簡単に折り、痛そうにもしていない。



しかも、一瞬だが、木刀を折って悠然と立つ彼女の背景に舞い散る桜の幻影が見え、美しかった。




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