雪風‐冷たくさらっていくもの‐
雪‐冷たく覆うもの‐埋まる恋
「好きだ」
だから、自然にそう言うことができた。
もう想いも、どう応えるかも知っていた。
だから安心してそう伝えられたのだと思う。
風乃は少しびっくりしたように瞳を大きく開いて、それから微笑んだ。
その微笑みは、私もだよ、好きだよと語っていて、すぐにどこかへ行ってしまうように儚かった。
砂雪、と風乃の唇が音をたてずにそう紡いだ。
「ごめんね」
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