由良さんが呼んでますので
傷つけたくないのに、無意識に自分の気持ちを最優先させて、自己中心的な態度を取ってしまった。彼女はいつも、俺のことを最優先にして考えてくれているのに。なのに、それなのに俺は
自分が一番嫌う方法で、彼女へ”俺”を押し付けた
「あーあー。もう由良さんりっかのトコロには帰ってこないだろうなあ」
「・・・・・・」
「謝りもしないし大好きなのにこーんなに邪険に扱われちゃあねぇ。さすがに慈悲深くてやっさしぃ由良さんでも、嫌になっちゃうだろうなあ」
「・・・・っ」
『由良さん、大好き』
『私も好きですよ』
そうやって俺が言うと、決まって彼女はわずかに口角を緩ませて、笑顔で言うんだ。好きだって言葉に、応えてくれるんだ
あれは紛れもない彼女の本心で、滅多に語ってくれない彼女の素直な言葉で
それなのに俺は、また
無理させて
「・・・・今度西宮のケーキ、おごる」
「毎度ー。由良さんによろしく言っといてね」
彼女が消えた方向へ走っていく途中後ろから聞こえたその言葉。誰がオマエなんかの言葉を、由良さんに伝えるか
俺は結局、由良さんが大好きで大好きで、大事で仕方ないのだ
待ってて由良さん!ごめんなさい!!!!!
――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――