冬が、きた。





………今日は泊まらずに、帰ろうかなあ。


ちょっとさみしいけど、慎くんの邪魔するよりは、マシだし。


私は立ち上がりかけて、……やっぱりやめた。


こんな時間に帰るなんて言ったら絶対、慎くんは送るよって言うもん。


そんなの、意味ない。


………………。


………でも私本当は、違うことを怖がってる。


慎くんに、帰るね、って言ったとして。


分かった、じゃあね。
なんて言われて。


ひとりでこの寒い中を帰って行くなんて、寂しすぎる。


今私を送って行くことより、明日の部活のことを考える方が大事だなんて。


もしそれが本当のことでも、進んで確かめるような真似、私にはできない。


慎くんは優しいから大丈夫。


そういう風に甘えてたらダメだって、分かっていても、甘えてしまうから。


部活してるときは、私のことなんて忘れて頑張ってほしいけど。


私といるときは、私を大事にしてほしいって、思ってしまうから。


そうじゃなかった時、傷つくのが怖い。


慎くんを楽にしてあげたいって、思ってたのに。


私、うじうじと、何を考えてるんだろう。


………何を、してるんだろう。




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