冬が、きた。
……震える声を、無理やり絞りだす。
「……だけど、私……慎くんに、何にもしてあげられない。慎くんはいっぱい、私を幸せにしてくれるけど………私には、出来ない。……役立たずだから……」
その瞬間、慎くんの腕が、私を包み込んだ。
慎くんの肩に、ぎゅっと額を押し付けられる。
「なに言ってるの?僕は、役に立つとか立たないとか、そんな理由で雪音を好きになったわけじゃない」
「……うう……だって……」
「雪音がいてくれるだけで良い、って言っても、信じないかもしれないけど。本当に、そうなんだ。……雪音が客席に座ってるのを見ただけで、僕は舞台の上でめちゃくちゃ嬉しくなった」
「……………」
「雪音が辛い思いをしてたのに、自分のことでいっぱいいっぱいになって……安心させてあげられなくて、ごめんね……」
背中を優しく撫でられて、涙がぼろぼろとこぼれる。