冬が、きた。





………そ、そんなことに……。


「……申し訳ないです……。
……ご迷惑をおかけしました」


私がぺこっと頭を下げると、彼女は一瞬ぽかんとした顔をして、死ぬほど笑い転げた。


「……え、な、なんで……」


「………なにしてんの」


「慎くん!」


慎くんが首にサックスをぶら下げて、怪訝な顔をして私達を見下ろしていた。


「ちょっと、その、ええっと…………」


「………なんか言われた?」


「いやっ、そんな、ことは……」


「なんも言ってないよー。じゃあ私、行くから。すぐ戻って来なさいよー」


いつの間にか真顔に戻った彼女はひらひらと手を振って行ってしまった。


慎くんは疑うような目でその後ろ姿を見て、また私の手を取った。


そして出口へ歩いていく。


「……片付けがあるから、先に帰っててくれる?終わったら急いで帰るから」


「うんっ。……あっ、見て!」


外に出ると、雪がちらちらと降っていた。


「雪だ……」


「初雪だね」


「ああっ、そうだ」


慎くんは突然ポケットをごそごそし始めた。


そして、小さな箱を取り出した。




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