言いなりデイズ


最初に割れたお皿を片付けよう。


あたしがお皿に触れようとした瞬間、あたしの手は愁に掴まれた。


ーードキッ


さっきと同じように心臓が跳ねる。


そこから速度は速くなって…。


「ど、どうしたの?」


緊張してる…


ただ手を掴まれただけなのに…。


「怪我するだろ。それに、お前は病人なんだから。」


そう言って、愁はあたしを見つめた。


あたしの鼓動はさらに速くなっていく。


頭の中の思考がついていかない。


ただ、あたしは手から伝わる温もりを感じていた。





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