FlowerRose



「うっ、ええぇぇえ!?」



あたしは馬鹿な頭をフル回転させて、やっと浮かんだ答えに心底驚いた



「や、だから、そのまんまの意味だし」

「そっ、そそそそのまんまの意味って…!」



冷静に言い放つカイに多少腹が立ちながらも、とりあえず疑問に思った事を聞いてみた



「お、大人になってからって約束じゃなかった!?」

「無理、もう我慢出来ない」

「で、でもっ!」



必死に抵抗するものの、あたしの腕はカイの腕によって制せられてしまった



「英子はなんでヤなの?」



優しく目を細めながら、カイはあたしの顔を覗き込む



ドキン





―ヤバイ



あたし…この顔に弱いんだ…



「…カイは…他の人とも…したの?」



蚊の鳴くようなか細い声で尋ねた


すると、長い沈黙の後、フッとカイの笑い声が聞こえた



「…なぁんだ、そんな事か…」

「な、なんだじゃないよ!!」



―ヒドイ―



あたしずっと不安だったのに―

―そんな風に笑うなんてぇ…

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