FlowerRose



「…この…っ!」

「さーて、そろそろ部屋に戻るかー」



わざとらしく席を立ち、バイキング会場を後にするカイ



「……ッ」



沸々と込み上げる怒りを抑えて、あたしもカイの後ろを歩いた







―ガチャ



部屋に戻ると、ヒラヒラのレースが付いたダブルベッドが目に入る



「………くっ…」



思わず目をそらしてしまう



「…じゃ、英子先に風呂入ってこいよ」

「あ、う、うん」



上ずる声で返事をし、トテトテとシャワールームへと入る





バタンッ



「…ふぅー…なんか…恥ずかしい…」



キュッと蛇口を回し、お湯を出す

その手が少し震えているのに気がついた



「…あ…」



狭いシャワールームに響く声―



あたしはサッとお風呂を済ませて、カイの待つダブルベッドへと急いだ

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