FlowerRose



ポタポタと髪から雫を滴らせながら、バスローブをしきりに触っている



「…どうしたの?」

「…なんか慣れない感触…着るの初めてだから」



眉を寄せて、話すカイはどこか幼い感じがする



あたしは思わずプッと笑ってしまった



「…何?」

「や、だって…カイ…あたしと同じ事…ははッ」





―なぁんだ―



カイも初めてなんだ―

バスローブ着るの―





「笑い過ぎ」



コツンと額を小突かれて、「あたッ」と声をあげるあたしを無視して、カイはベットに腰を下ろす





―…え?



どうすればいいの?この状況―





ベットに座るカイと、その前に立つあたし



二人の間にただならぬ雰囲気が漂う





(ま、前にもこんな事あったような…?)



あたしがそんな事を考えてると、しびれを切らしたカイが口を開いた

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