FlowerRose
「キャーーー!!」
毎日のように校庭に響く歓声
見学に来ている女子の三分の二が、カイ目当てだ
あたしは5月の爽やかな風に思いを馳せながら、修人の部活が終わるのを待った
と、その時だった―
「嫌ーーーッッ!!」
女子軍団の悲鳴が学校中に響いた
(な、何事…?)
疑問を胸に、校庭に目をやると…
綺麗な金髪を風に靡かせながら、カイと並んで歩いている一人の女性の姿があった
いや、ここの学校の制服着てるから、女の子か女子って言い方した方が良いんだろうけど、その女性は大人の女の人の雰囲気を醸しだしていた
遠くてよく見えないけれど、目は切れ長で顔の輪郭はシャープ。
それに、スラッと伸びる身長は170㎝はあるかもしれない
そして極めつけは…
カイがその女性の腰のあたりに手を回していると言う事だ
お似合いだ…
心の中の声がそう言っている…
あたしは朝の女の子達の会話を思い出す
「一条先輩って、彼女いるんでしょ?」
ああ、そっか
そう言う事か…