FlowerRose
「ワリイ、待たせたな」
修人が汗だくになりながらこっちに向かって走ってくる
「ううん、修人今日もたくさん先輩抜いたね!」
「ああ…アイツだけはどうしても抜けないんだけどな…」
修人が遠い目をしてそう呟く
「…そっか…」
あたしも短く返事を返した
どう返事をしたら良いか分からなかった
しばらくの間沈黙が流れる
その沈黙を破って、あたしが修人に聞いた
「…ねえ…今日居た…あの金髪の人ってさ…一体…」
あたしが言い終わる前に修人は言葉を発した
「…サッカー部では、結構前から有名だったけどな…」
「…そうなんだ…」
夕日があたし達をオレンジ色に染める
うるさかった町並みも、夕日が沈むと同時に静けさを取り戻していく
この瞬間が、あたしはとてつもなく淋しい
きっとそう感じるのはあたしだけかもしれないけど、修人の淋しそうな表情を見ると、案外他の人も…って思ってしまう
そんな事を考えている内に、いつの間にかあたしの家の前に着いていた