お腹が空きました。


あ¨ぁ?!と杉崎は険しい顔をする。

「っ、そっちかよ。今日はもう遅いし、明日持って行ってやるから。」


チャリっと棚の上から車のキーを掴み、杉崎は冷蔵庫の中を確認した。


「そんな…っ‼無理です無理ですーっ」

半泣きで駆け寄る紗耶に杉崎は渋い顔をする。

「無理っつったってな、こっちもまだ端っこしか完全に固まってないし、お前も帰ってなんだりかんだりしなきゃなんねえだろ。」

そう言いながら杉崎は紗耶に見せるようにトレーを出して来た。

確かに真ん中辺りはまだ柔らかそうだ。





だが、しかし。





「…や、いけます。」

「は?」

「いけますって。」

「いけねぇよ!」

紗耶はトレーをただじっと見つめ、何かに言い聞かせるように呟いた。

「今日甘いもの何食べたか知ってますか。フリスク一粒ですよ 一 粒 !かなりの死活問題です!」

「うるせぇ!!お前もう帰って風呂入れ!んで寝ろ!」

「ここで入ってここで寝ます!」

「ばっっ…っ‼馬鹿な事言ってんじゃねぇ!」


ぐわっと怖い顔をしながら杉崎は慌てた。

「……。」


その後はぁ、とため息をつき、目頭を指でギュッと抑えた後、杉崎は力なくキッチン台に移動する。




「あーもう分かった。分かったから、」




< 100 / 324 >

この作品をシェア

pagetop