お腹が空きました。
鯛焼きに寿司にピザにラーメンに蕎麦に居酒屋に…
上を向き、指折り数えだした紗耶に杉崎はぞっとしながらこぼした。
「お前おっっそろしいほど食ってんな…。」
「やー、そんなことないですよ?ちょっとずつでしたし。」
ハハハと頭をかきながら笑う紗耶に、はぁ…と杉崎はため息をつく。
そして粗熱が取れたクッキーを1つ摘み、ヒョイっと紗耶の口の中に入れた。
「…っっおっいしーーっ!」
むぐむぐ口を動かしながら紗耶は満面の笑顔を放つ。
それを横目で見ながら杉崎はくつくつと笑った…。
◆
「で?いったい誰に貢いでもらってるのよ?」
「だだだ誰でもないって…っ!」
人聞きの悪い‼
紗耶はおおいに焦りながら両手を左右にバタバタさせた。
休憩中、紗耶のアイスボックスクッキーをサクサク食べながら由美はむんずと距離を詰める。
「ネタは上がってんのよ。フラッと冷蔵庫に現れるあんたへの差し入れ。字が紗耶のお子様字じゃないのよ。ねぇ、いったい誰なのよっ」
ジリジリ迫り来る由美に紗耶は両手を上げ目を泳がせた。