お腹が空きました。

鯛焼きに寿司にピザにラーメンに蕎麦に居酒屋に…

上を向き、指折り数えだした紗耶に杉崎はぞっとしながらこぼした。

「お前おっっそろしいほど食ってんな…。」

「やー、そんなことないですよ?ちょっとずつでしたし。」

ハハハと頭をかきながら笑う紗耶に、はぁ…と杉崎はため息をつく。

そして粗熱が取れたクッキーを1つ摘み、ヒョイっと紗耶の口の中に入れた。


「…っっおっいしーーっ!」


むぐむぐ口を動かしながら紗耶は満面の笑顔を放つ。



それを横目で見ながら杉崎はくつくつと笑った…。









「で?いったい誰に貢いでもらってるのよ?」

「だだだ誰でもないって…っ!」


人聞きの悪い‼

紗耶はおおいに焦りながら両手を左右にバタバタさせた。

休憩中、紗耶のアイスボックスクッキーをサクサク食べながら由美はむんずと距離を詰める。


「ネタは上がってんのよ。フラッと冷蔵庫に現れるあんたへの差し入れ。字が紗耶のお子様字じゃないのよ。ねぇ、いったい誰なのよっ」

ジリジリ迫り来る由美に紗耶は両手を上げ目を泳がせた。






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