お腹が空きました。





「じゃ、明日。」


「はい!」


ケーキが入った箱を手にぶら下げながら紗耶は赤いテープランプを見送る。


いつもは「じゃあ月曜日な」なのに。


紗耶は不思議な気持ちでアパートの鍵をカバンから出した。


「明日、か…。」


動物園、というキーワードにただはしゃいでいた紗耶だが、ふと気が付いてしまった。

スイーツ関係なしに杉崎と休みの日に会うなんて、始めてじゃないか?


「なんか…これ…」


デートみたいじゃないか!デート‼

っと紗耶は小さな丸テーブルに突っ伏する。


私と杉崎さんはそんなんじゃないよーっ!そんなんじゃーっ!と叫び出したいのはぐっと堪えて紗耶は大人しく服を着替え始めた。


「(落ち着け、落ち着け私っ。そもそもなんでこんな事になった?あ、杉崎さんお礼だって言ってたじゃんね?お礼なんだからいいんだよね?あれ、そもそも私がハンドミキサープレゼントしたから?え、でもそれは普段からいっぱいお菓子作って貰ってるお礼として渡したんだからいいんだよね?あれ?お礼のお礼って、そもそも私貰っていいんだろうか?いいのかな?御中元とかでも送ったり送られたりするからいいんだよね?いいよね?ってか、杉崎さんとどこかに出かけるってどうなの。私的にどうなの。)」

ごちゃごちゃする頭の中を更に掻き回しながら紗耶はふと動きを止めた。


私にとって、


杉崎さんってどんな存在なんだろう。





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