お腹が空きました。
「頬は無難にハムスターだな。人類で頬袋なんて持ってんのお前だけだろう。動きは子豚。エサの探し方がそっくりだ。」
「あの、もういいです…。」
凹む紗耶にククッと笑いながら杉崎はコーヒーをすすった。
「気にするな。半分冗談だ。…なぁ室内。」
「あ、はい。」
「ありがとな。」
え、と突然の感謝に紗耶は目を丸くした。
「あれだよ、ハンドミキサー。」
「ああ!いえいえ!喜んでもらえたら私も嬉しいです。」
にっこり嬉しそうに笑う紗耶につられて、下手くそに微笑みながら杉崎はぽそっと言った。
「明日、動物園でも行くか?」
「……え?!」
「あれだ、お礼だ。お礼。……別に行きたくねぇならいいんだけ…」
「行きます行きます‼」
何言ってるんですか!行くに決まってますよっ!と、フォークを持ちながら上下に喜ぶ紗耶を見て、杉崎は難しい顔を解除する。
「動物園大好きです!何年ぶりだろー?!すっごい嬉しいです!ていうか、いいんですか?」
目をランランとさせる紗耶に杉崎がニヤリと笑った。
「お前、顔で一人動物園出来そうだな。行かずにここで室内観察しとくか?」
「…ひっ、酷いですっ!」
どういう意味なんだと涙目になる紗耶に杉崎はまたフッと口元を歪めた。