お腹が空きました。
そういうなり杉崎は人のいなくなった小さなオフィスを足早に出て行った。
残された紗耶はひたすら首を捻る。
…なんだったんだろう。
ああ、それよりも胃が収縮し過ぎて死にそう。
ぐーーっと腹を鳴らしながらまたガクンと突っ伏し、デスクに頬をスリ寄せていた紗耶の目の前に、
コトン。
小さな箱が置かれたのは2分後。
「?」
甘い香りに包まれながら、目の前の狼をただ見上げた。
えっと…?
「…これやるから、黙っとけよ。絶対。」