お腹が空きました。
「う、うう、牛野さん、その、あの、…知ってるんですか?」
んあ?とイイ男二人が同時に振りかえる。
「え、なに?何の話?」
きょとんとする牛野に紗耶はなんていっていいか分からず、杉崎の顔色をうかがいながらじわじわと説明し始めた。
言っていいのかな、いいんだよね?
だってなんか牛野さん知ってる風だったし…
わたわたおどおどする紗耶に、杉崎は真顔で答える。
「言ってなかったか。最初にお前にあげたヤツ、あれ元は牛野にやる予定だったもんだ。」
「ああ、あの言ってたチーズケーキ?そうそう、ちょっと急な外回りあたっちゃってね。杉崎、麦茶もらうよー。」
ハハハと牛野は笑い、冷蔵庫から麦茶の容器を取り出した。
「え、じゃあ…」
ぐるぐるぐるぐる紗耶は普段そこまで回さない思考回路を回転させまくる。
そんな紗耶に牛野が形の良い唇を歪めてニヤニヤしながら言った。
「ああ、知ってるよー。紗耶ちゃんが杉崎に作って貰ったお菓子の素性を懸命に隠してたりしてるの。あれでしょ?どうせ杉崎が黙っとけって言ってるんでしょ?」
クスクスと笑って牛野は麦茶を入れたガラスコップを傾けた。